「今日の夕食はカレー、もとい、シチューだった」のように、言い間違いを訂正する際に使われる「もとい」という言葉。あなたも日常会話で耳にしたり、実際に使ったりしたことがあるのではないでしょうか。
しかし、この「もとい」、何気なく使っているけれど、実は正しい使い方や適切な場面を理解していないと、相手に違和感を与えてしまう可能性もあります。また、「改め」という似たような言葉もあり、その違いに戸惑うこともあるかもしれません。
そこでこの記事では、「もとい」の意味、例文、正しい使い方、そして「改め」との違いについて、分かりやすく解説していきます。この記事を読めば、「もとい」を自信を持って使いこなせるようになるだけでなく、「改め」との使い分けもマスターできるでしょう!
「もとい」の意味とは? – 言い間違いを正す便利な言葉
「もとい」とは、直前に述べた言葉を自分で訂正する際に使う言葉です。「そうではなくて」「言い直すと」といった意味合いを持ち、言い間違いを正したり、より適切な表現に言い換えたりする際に用いられます。
例えば、「明日の会議は10時から、もとい、11時から開始です。」というように、言い間違えた時間「10時」を正しい時間「11時」に訂正しています。
「もとい」の正しい使い方と例文 – シーン別に徹底解説!
「もとい」は主に、言い間違いを訂正する際に使われます。ここでは、様々なシーンにおける「もとい」の使い方と例文を見ていきましょう。
日常会話での「もとい」
日常会話では、気軽な雰囲気の中で「もとい」が使われます。
- 「今日のランチはパスタ、もとい、ラーメンにするよ。」
- 「あの映画の主演、佐藤健、もとい、菅田将暉だったよね。」
- 「待ち合わせ場所は、駅前のカフェ、もとい、本屋の前だったね。」
- 「あ、鍵忘れた!もとい、ポケットに入ってた。」
- 「このケーキ美味しい!もとい、今まで食べた中で一番美味しい!」
ビジネスシーンでの「もとい」
ビジネスシーンでは、正確な情報伝達が求められます。言い間違いに気づいたら、「もとい」を使ってすぐに訂正しましょう。
- 「明日の会議は10時から、もとい、11時から開始です。」
- 「この資料は先週、もとい、先々週作成したものです。」
- 「プレゼン資料は田中さん、もとい、鈴木さんが担当します。」
- 「新製品の発売は来月、もとい、再来月の予定です。」
- 「今回のプロジェクトは、困難を伴う、もとい、大きな挑戦となるでしょう。」
メールや文章での「もとい」
メールや文章では、口頭での会話と比べて「もとい」の使用頻度は低くなります。よりフォーマルな表現が好まれるため、「訂正いたします」などの言い換え表現が使われることが多いです。
- 「先日の会議の議事録を添付いたします。なお、開催日時は4月1日、もとい、4月8日に訂正させていただきます。」
- 「〇〇様、先日は貴重なお時間をいただきありがとうございました。もとい、ご多忙の中、お時間を割いていただき、誠にありがとうございました。」
「もとい」を使う際の注意点 – 知っておきたいマナーとポイント
「もとい」は便利な言葉ですが、使う際にはいくつか注意点があります。
多用は禁物!しつこい印象を与えることも
「もとい」を何度も繰り返し使うと、くどい印象を与えたり、話が分かりにくくなったりする可能性があります。言い換え表現を適度に織り交ぜるなど、バランスを考えましょう。
目上の人への使用は慎重に
上司や目上の人に対して「もとい」を使うと、場合によっては失礼にあたる可能性があります。特にビジネスシーンでは、「失礼いたしました」「訂正いたします」などの丁寧な表現を使う方が無難です。
フォーマルな場では別の表現を検討しよう
結婚式や式典など、フォーマルな場面では「もとい」の使用は避けた方が良いでしょう。軽い印象を与え、場にそぐわないと思われる可能性があります。
「もとい」と「改め」の違い – 混同しやすい二つの言葉を徹底比較!
「もとい」とよく似た言葉に「改め」があります。どちらも「言い直す」というニュアンスを持つため、混同してしまう人も多いのではないでしょうか。ここでは、「もとい」と「改め」の違いを明確にしていきましょう。
「もとい」は言い間違いの訂正、「改め」は新たな提案
- 「もとい」は、直前の言葉を言い間違えた際に、それを訂正するために使います。
- 「改め」は、直前の言葉を言い間違えたわけではなく、別の角度から言い直したり、新たな提案をしたりする際に使います。
例文で見る「もとい」と「改め」
- 「もとい」の例文:
- 「明日の会議は10時から、もとい、11時から開始です。」(10時を11時に訂正)
- 「改め」の例文:
- 「明日の会議は10時から開始します。改めまして、議題は新製品の販売戦略についてです。」(開始時間を訂正しているわけではなく、改めて議題を提示)
- 「この件については、明日話し合いましょう。改め、明日の10時に会議室に集合してください。」(「明日話し合う」という内容を訂正しているわけではなく、「明日10時に会議室に集合」という新たな提案)
このように、「もとい」は直前の言葉の訂正、「改め」は新たな情報の提示や提案という違いがあります。
「もとい」の言い換え表現 – シーンに合わせて使い分けよう
「もとい」以外にも、言い間違いを訂正したり、言い換えたりする際に使える表現はたくさんあります。
- 「ではなくて」: 柔らかい印象を与える言い換え表現。「明日は晴れ、ではなくて、曇りだね。」
- 「いや」「いやいや」: カジュアルな場面での言い換え表現。「あの映画、面白かったよね。いや、めちゃくちゃ面白かった!」
- 「訂正します」: フォーマルな場面や文章で使える言い換え表現。「先ほどの数値に誤りがありました。訂正いたします。」
- 「正確には」「正しくは」: より正確な情報を伝えたい時に使う言い換え表現。「彼の年齢は25歳、正確には、25歳と6ヶ月です。」
- 「失礼しました」: 謝罪の気持ちを伝えたい時の表現。「先ほどは言い間違えました。失礼しました。」
まとめ:「もとい」を正しく使って、スマートなコミュニケーションを!
「もとい」は、言い間違いを訂正する際に役立つ便利な言葉です。しかし、使い方を間違えると、相手に違和感を与えたり、誤解を招いたりする可能性があります。
この記事では、「もとい」の意味、例文、正しい使い方、注意点、そして「改め」との違いについて詳しく解説しました。
「もとい」を正しく使いこなし、そして「改め」との違いを理解して、よりスマートで正確なコミュニケーションを目指しましょう!