上司や取引先に送るメールを作成していて、「この日本語、何だかおかしいかな?」と不安になったり、部下や同僚から提出された文章を読んで「言いたいことは分かるけど、この表現はおかしい…」と感じたり。
ビジネスシーンでは、文章の正確さや丁寧さが、そのまま信頼に直結します。しかし、「あなたの文章はおかしいです」とストレートに指摘するのは、相手を傷つけてしまいかねません。
この記事では、「文章がおかしい」という直接的で失礼な表現を、ビジネスシーンで使える角の立たない丁寧な言葉に言い換えるためのフレーズを、具体的な状況別に解説します。
状況1:相手の「文章がおかしい」と丁寧に指摘する場合
相手の文章の問題点を伝える際は、非難するニュアンスをなくし、「より良くするための提案」として伝えるのが鉄則です。クッション言葉を使い、どこがどう問題なのかを具体的に示しましょう。
理由別・言い換えフレーズ早見表
| 「おかしい」と感じる理由 | おすすめの言い換えフレーズ |
|---|---|
| 表現が不自然・分かりにくい | 「少し分かりにくいかもしれません」 |
| 誤解を招く可能性がある | 「誤解を招く可能性がございます」 |
| 論理のつながりがない | 「話の飛躍があるように感じられます」 |
| 誤字脱字・事実誤認 | 「ご確認いただきたい箇所がございます」 |
パターンA:表現が不自然・分かりにくいと感じる時
主観的で曖- -昧な表現や、専門用語の多用で読みにくい文章に対して使います。「私の理解力不足かもしれませんが」と前置きすると、より柔らかい印象になります。
- 基本的な言い換え:
- 「こちらの表現は、少し分かりにくいかもしれません」
- 「〇〇という部分は、より平易な言葉にすると伝わりやすいかと存じます」
- 例文(メール):
「資料のご提出ありがとうございます。1点、P3の『〇〇』という箇所についてですが、私の理解力不足で恐縮ですが、意図を正確に把握できずにおります。お手数ですが、こちらの部分を補足していただけますでしょうか。」
パターンB:誤解を招く可能性がある時
一つの文章が複数の意味に取れてしまう場合や、主語が抜けていて誰の行動か分からない場合に使います。
- 基本的な言い換え:
- 「〇〇と誤解を招く可能性がございます」
- 「読み手によっては、〇〇と解釈されるかもしれません」
- 例文(チャット):
「先ほどの文章ですが、『A案で進めます』という部分、Bチームの承認も得た上での決定、という認識で合っていますでしょうか?この表現ですと、〇〇さんが独断で進めたと誤解される可能性もあるかと思いましたので、念のため確認です。」
パターンC:論理のつながりや構成がおかしい時
話の前提が抜けていたり、結論に至るまでのプロセスが飛躍していたりする文章に対して使います。
- 基本的な言い換え:
- 「話の流れに少し飛躍があるように感じます」
- 「結論と理由のつながりが、少し分かりにくいかもしれません」
- 例文(口頭で):
「ご提案の結論には賛成なのですが、そこに至るまでの〇〇という部分の論理が少し飛躍しているように感じました。△△という前提を先に説明すると、聞いている側はもっと納得しやすいと思います。」
パターンD:誤字脱字や事実誤認がある時
明らかな間違いは、相手の評価に関わる問題なので、見つけたらすぐに伝えるのが親切です。ただし、指摘の仕方は丁寧に。
- 基本的な言い換え:
- 「一点、ご確認いただきたい箇所がございます」
- 「差し出がましいようで恐縮ですが、〇〇は△△の誤りではないでしょうか」
- 例文(メール):
「素晴らしい企画書をありがとうございます。拝見して1点だけ気になったのですが、P5に記載のイベント開催日は、正しくは来週の金曜日(12/12)ではなかったでしょうか。ご確認いただけますと幸いです。」
状況2:自分の「文章がおかしい」と謙遜して伝える場合
自分が書いた文章を相手に送る際、自信がない時や、推敲の時間がなかった時に使える謙遜表現です。相手に「丁寧に確認してくれているな」という印象を与えます。
「拙い文章ですが(つたないぶんしょうですが)」
「拙い」は「下手で未熟な」という意味の謙遜語です。自分の文章がまだ洗練されていないことをへりくだって表現します。
- 例文: 「拙い文章ではございますが、企画の趣旨だけでもお目通しいただけますと幸いです。」
「乱筆乱文にて失礼いたします(らんぴつらんぶんにてしつれいいたします)」
「乱筆」は走り書きの文字、「乱文」はまとまりのない文章のこと。メールなどのテキストデータでは「乱筆」は当てはまりませんが、慣用句として使われます。急いで書いた文章に対するお詫びの気持ちを示します。
- 例文: 「取り急ぎご報告まで。乱筆乱文にて失礼いたします。」
「推敲を重ねる時間がなく、恐縮ですが」
より具体的に、「十分に文章を見直す時間がなかった」ことを伝え、不備があるかもしれない点について事前に許しを請う表現です。
- 例文: 「推敲を重ねる時間がなく恐縮ですが、一旦下書きの段階でご確認いただけますでしょうか。」
よくある質問
Q.「おかしいと思います」と意見を伝える際の丁寧な前置きは?
A. ストレートに「おかしいと思います」と言うのではなく、「〇〇という点が気になりました」「私見ですが、〇〇という部分に少し疑問を感じました」「僭越ながら、〇〇については再考の余地があるかと存じます」といった表現を使うと、柔らかく意見を伝えることができます。
Q.「おかしな点があればご指摘ください」の正しい敬語は?
A. 目上の人に対しては、「おかしな点」という言葉は少し失礼にあたる可能性があります。
「お気づきの点がございましたら、ご指摘いただけますと幸いです」や「ご不明な点や、至らない点がございましたら、ご教示ください」といった表現がより丁寧で適切です。
まとめ
「文章がおかしい」と感じた時、それをどう言葉にするかは、ビジネスコミュニケーションにおいて非常に重要なスキルです。
- 相手に指摘する場合: 「おかしい」と断定せず、「分かりにくいかもしれません」「誤解を招く可能性があります」と、可能性を示唆する形で、具体的に伝える。
- 自分の文章について言う場合: 「拙い文章ですが」「乱筆乱文にて」といった謙遜表現を使い、丁寧な姿勢を示す。
これらの言い換えフレーズを活用することで、相手への配慮を示し、より円滑で建設的なコミュニケーションを築くことができます。



