「自分から見積もりをお願いしたのに、予算が合わなくて断らなきゃいけない…」
「面接の日程調整までしてもらったのに、他社に行くことになった…」
自分から相手を巻き込んでおいて、後から断りの連絡を入れるのは、本当に心苦しいものです。「なんて勝手な奴だと思われるだろうか」「怒らせてしまったらどうしよう」と、メールを送る指が止まってしまうこともあるでしょう。
しかし、ビジネスにおいて事情が変わることは避けられません。大切なのは、断るという事実そのものではなく、「その伝え方」です。
この記事では、相手の顔を立て、不快にさせず、むしろ「誠実な人だ」という印象を残して次の機会に繋げるための、お断りメールの書き方と例文を紹介します。
結論:気まずい時こそ「早め」に、「最大限の低姿勢」で
こちらからお願いしたことを断る際、最もやってはいけないのは「気まずいからと連絡を先延ばしにすること」です。
相手はあなたの依頼に応えるために、時間やリソース(人員)を確保して待っています。連絡が遅れれば遅れるほど、相手の実害は大きくなり、信用を失います。
「断る」と決めたら、一分一秒でも早く伝える。そして、相手の労力に対して最大限の敬意と謝罪を示す。これが、トラブルを防ぐ唯一の方法です。
「こちらからお願いしておきながら…」心苦しさを伝えるクッション言葉
ただ「今回は見送ります」「不要になりました」と事実だけを伝えるのは、冷たすぎますし、相手を怒らせかねません。
本題に入る前に、申し訳ないという気持ちを伝える「クッション言葉」を必ず挟みましょう。
- 基本のフレーズ
「誠に申し上げにくいのですが」
「大変心苦しいご報告となりますが」 - 相手の労力をねぎらうフレーズ(おすすめ)
「お忙しい中、ご対応いただいたにも関わらず」
「せっかくご提案(ご調整)いただいたところ、誠に恐縮ですが」
「こちらからお願いしておきながら、このような結果となり大変申し訳ございません」
この一言があるだけで、相手は「こちらの事情も分かってくれているんだな」と感じ、怒りの矛先を収めやすくなります。
失礼にならない「お断りメール」鉄板の3段構成
メールの構成は、以下の3ステップで組み立てるとスムーズです。
- 感謝: まずは、こちらの依頼に対応してくれたことへの感謝を伝えます。
- 「先日はお見積もりをいただき、誠にありがとうございました。」
- 謝罪&結論: 理由を添えて(詳細は濁してOK)、はっきりと断ります。
- 「社内で慎重に検討いたしました結果、誠に残念ながら今回は見送らせていただくこととなりました。」
- 未来: 「また機会があれば」と関係継続の意思を示し、相手の顔を立てます。
- 「また別の機会がございましたら、ぜひお声がけさせていただけますと幸いです。」
【コピペOK】シチュエーション別・お断りメール例文集
そのまま使える例文を用意しました。状況に合わせて( )の部分を書き換えてご使用ください。
1. 見積もりや提案を依頼した後に断る場合(発注見送り)
件名:「〇〇」ご提案のお礼と選考結果について(株式会社△△ 氏名)
株式会社〇〇
営業部 〇〇様
いつも大変お世話になっております。
株式会社△△の(自分の氏名)です。
先日は、弊社案件につきまして迅速にお見積もり(ご提案)をいただき、
誠にありがとうございました。
いただいた内容を社内で慎重に検討いたしました結果、
誠に恐縮ながら、今回は貴社への発注を見送らせていただくこととなりました。
弊社の予算(または仕様)との折り合いがつかず、
このような結論に至りましたこと、深くお詫び申し上げます。
こちらからお願いしておきながら、ご期待に添えない結果となり大変心苦しいのですが、
何卒ご了承いただけますようお願い申し上げます。
今回は残念な結果となりましたが、また別の案件などでご相談させていただく機会もあるかと存じます。
その際は、ぜひ改めてお力添えいただけますと幸いです。
末筆ながら、貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます。
(署名)
2. 日程調整をお願いした後にキャンセルする場合
件名: 〇月〇日のお打ち合わせにつきまして(お詫び)
株式会社〇〇
〇〇様
いつもお世話になっております。
株式会社△△の(自分の氏名)です。
この度は、お打ち合わせの日程をご調整いただき、誠にありがとうございます。
〇月〇日にお時間をいただく予定となっておりましたが、
弊社の急な事情により(または「一身上の都合により」)、
誠に勝手ながら、今回のお打ち合わせをキャンセルさせていただきたくご連絡いたしました。
貴重なお時間を割いていただいたにも関わらず、
直前のご連絡となりましたこと、深くお詫び申し上げます。
改めてこちらからご連絡(または「時期を改めてご相談」)させていただけますと幸いです。
まずはメールにて恐縮ですが、取り急ぎお詫びとご連絡を申し上げます。
(署名)
3. 選考(面接)をお願いした後に辞退する場合
件名: 選考辞退のご連絡(氏名)
株式会社〇〇
採用ご担当者様
お世話になっております。
〇月〇日に面接のお時間をいただいております、(自分の氏名)です。
この度は、面接の機会を設けていただき、誠にありがとうございます。
大変申し上げにくいのですが、一身上の都合により、
今回の選考を辞退させていただきたくご連絡いたしました。
お忙しい中、日程調整などご配慮いただいたにも関わらず、
このような結果となり大変申し訳ございません。
本来であれば直接お詫びすべきところ、メールでのご連絡となりますこと、重ねてお詫び申し上げます。
末筆ながら、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
(署名)
4. 一度正式に依頼したが、事情が変わって取り下げる場合(※要注意)
※これは相手に実害が出る可能性が高いため、特に丁寧な謝罪が必要です。
件名: 【重要】「〇〇」のご依頼取り下げに関するお詫び
株式会社〇〇
〇〇様
いつも大変お世話になっております。
株式会社△△の(自分の氏名)です。
先般ご依頼いたしました「〇〇」の件につきまして、
大変申し上げにくいのですが、弊社の都合(プロジェクトの中止など)により、
今回の依頼を急遽取り下げさせていただきたくご連絡いたしました。
すでに準備を進めていただいている中、こちらからお願いしたにも関わらず、
多大なるご迷惑をおかけしますこと、弁解の余地もございません。
心より深くお詫び申し上げます。
今後このような不手際がないよう、社内の体制を見直してまいる所存です。
甚だ勝手なお願いで誠に恐縮ですが、何卒ご容赦いただけますようお願い申し上げます。
(署名)
よくある質問
Q. 断りのメール、件名はどう書くのが正解?
A. 件名だけで「何の件か」が分かるようにしつつ、不採用通知のような冷たさを避けるのがポイントです。「『〇〇』の件について」が無難ですが、謝罪の気持ちを込めたい場合は「『〇〇』の件について(お詫び)」としても良いでしょう。
Q. 理由は正直に言ったほうがいいですか?
A. 詳細に言う必要はありません。「予算の都合」「社内事情」「一身上の都合」など、当たり障りのない定型句で濁すのが大人のマナーです。「他社の方が安かったから」「提案内容が微妙だったから」といった本当の理由を伝えるのは、相手を傷つけるだけなので避けましょう。
Q. 電話で伝えたほうが丁寧ですか?
A. 基本的にはメールで問題ありませんが、直前(当日・前日)のキャンセルや、すでに作業が進んでいる案件を断る場合など、緊急度や迷惑度が高い場合は、まず電話で直接お詫びし、その後にメールを送るのが最も誠実な対応です。
まとめ
自分からお願いしたことを断るのは気が重いものですが、ビジネスにおいて「断る勇気」と「断る技術」は必須スキルです。
- 早めの連絡: 相手の時間をこれ以上奪わない。
- クッション言葉: 「こちらからお願いしておきながら」と非を認める。
- 未来への配慮: 次に繋がる結びの言葉を添える。
この3つを意識すれば、あなたの誠意は必ず相手に伝わります。例文を活用して、スマートに難局を乗り切ってください。



