「後ろからついてくる」「流行についていく」。
日常会話で何気なく使っている言葉ですが、いざメールや文章で変換しようとした時、「付いてくる」と「着いてくる」、どっちが正しいんだっけ?と迷ったことはありませんか?
「着く」には「到着」のイメージがあるし、「付く」には「くっつく」イメージがある…。
実は、この使い分けには明確なルールがあります。
この記事では、間違いやすい「ついてくる(いく)」の漢字の使い分けを、具体的な例文付きで分かりやすく解説します。もう変換候補の前で迷うことはなくなります。
結論:基本は「付いてくる」を使えばOK!
まず結論からお伝えします。
「誰かの後ろをついていく」「何かに付属してくる」という意味であれば、「付いてくる」を使うのが正解です。
迷ったら「付」を選んでおけば、ほぼ間違いありません。
なぜなら、「着く」は「到着する」という意味に限定されるため、移動している状態を表す「ついてくる」には適さないからです。
「付いてくる(いく)」を使う3つのケース【例文あり】
では、具体的にどのような場面で「付」を使うのか、代表的な3つのケースを見ていきましょう。
1. 人や動物の後ろを移動する(追従)
誰かの後を追って移動する場合、ピタリとくっついて離れない様子から「付」を使います。
- 「迷子のふりをした子犬が、後ろから付いてくる」
- 「親の買い物に付いていく」
- 「前の車に付いていって走る」
2. 物事に遅れずに対処する(能力・進行)
物理的な移動だけでなく、能力や行動が基準に追随する場合も「付」を使います。
- 「時代の激しい変化に付いていく」
- 「授業のスピードが速すぎて、なかなか付いていけない」
- 「彼の話のレベルに付いていくのは大変だ」
3. ある物に別の物が加わる(付随)
メインのものに、おまけや結果がくっついてくる場合も「付」です。
- 「ランチセットにはドリンクとサラダが付いてくる」
- 「努力を続ければ、結果は後から付いてくる」
- 「あの雑誌には豪華な付録が付いてくる」
「着いてくる」は間違い?本来の意味と使用シーン
変換候補に出てくる「着いてくる」ですが、これは「後ろをついて歩く」という意味で使うのは誤用とされています。
「着く」という漢字は、「ある場所に到達する」「到着する」という意味を持ちます。
- 正しい使い方:
- 「大阪に着く」
- 「席に着く」
- 「荷物が着く」
「着いてくる」と書くと、「到着してくる」という少し不自然な意味合いになってしまいます。「ついていく」を「着いていく(到着していく?)」と書くのも同様に不適切です。
まだある!「つく」の漢字バリエーション
「付く」「着く」以外にも、状況によっては以下の漢字が使われることがあります。知識として知っておくと便利です。
「就く(就いて)」:職業や地位
仕事や役職、師匠などのもとで学ぶ場合には「就く」を使います。
- 「新しい仕事に就いて頑張る」
- 「師匠に就いて修行する」
- 「眠り(床)に就く」
「随く(随いて)」:従う、寄り添う
「付く」と似ていますが、より「従う」「寄り添う」というニュアンスが強い文学的な表現です。
- 「夫に随いていく」
- 「影の如く随いてくる」
ただし、「随」は常用漢字表において「つく」という読み方が認められていません。公用文や一般的なビジネスメールでは、「付く」に書き換えるのが一般的です。
よくある質問
Q. 「ツキが回ってくる」の「つく」は?
A. 運がよくなることを指す「ツキ」は、「付く」を使います。「運が付く」という意味です。
Q. ひらがなで「ついてくる」と書くのはダメ?
A. いいえ、全く問題ありません。むしろ、公用文のルールでは、動詞の後にくる補助的な「~てくる」「~ていく」はひらがなで書くことが推奨されています。
漢字で書くと少し硬い印象になるため、迷った時や柔らかい表現にしたい時は、あえてひらがなで「ついてくる」と書くのも賢い選択です。
まとめ
「ついてくる」の漢字の使い分けは、以下のルールさえ覚えておけば簡単です。
- 移動・能力・おまけ: 「付いてくる」(これが基本!)
- 到着: 「着く」(ついていく、という意味では使わない)
- 職業・師事: 「就く」
もう「着いてくる」と変換してしまって、恥ずかしい思いをすることはありません。自信を持って「付いてくる」を使ってください。

