「気勢をそぐ」とは?意味や使い方を例文で分かりやすく解説

日記
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「よし、今日からダイエットするぞ!」と意気込んでいたのに、家族に「どうせ三日坊主でしょ」と言われて、一気にやる気がしぼんでしまった…。

そんな経験はありませんか?
その状態こそ、まさに「気勢をそがれた」瞬間です。

この記事では、日常会話やビジネスシーンで耳にすることのある「気勢をそぐ」という言葉の正しい意味と使い方を、誰もが「あるある!」と共感できるような具体的な例文と共に、分かりやすく解説します。

「気勢をそぐ」の正しい意味

この言葉を理解するために、まずは2つのパーツに分解してみましょう。

「気勢」と「そぐ」それぞれの意味を分解!

  • 気勢(きせい)とは:
    「やるぞ!」「いくぞ!」といった、盛り上がった気持ちや、活気のある意気込みのこと。「気勢を上げる」という言葉で使われる通り、ポジティブで勢いのあるエネルギーを指します。
  • そぐ とは:
    「削ぐ」または「殺ぐ」と書き、刃物で何かを削り取るように、勢いや興味を弱める・なくならせることを意味します。

つまり、「気勢をそぐ」とは、「誰かの盛り上がったやる気や勢いを、何らかの言動や出来事によって削ぎ落とし、しぼませてしまうこと」を意味するのです。

【例文】「気勢をそぐ」の使い方(能動態)

「気勢をそぐ」は、誰か(または何か)が主語になり、他人のやる気を削ぐ場面で使います。

日常生活での例文

  • 子供たちが楽しそうに遊んでいる時に、親が「早く宿題をしなさい」と気勢をそぐようなことを言うべきではない。
  • せっかく旅行の計画で盛り上がっているのだから、お金の話ばかりして皆の気勢をそぐのはやめよう。

ビジネスシーンでの例文

  • 彼の否定的な意見は、会議の活発な議論の気勢をそぐ結果となった。
  • 新しいプロジェクトが始まったばかりのタイミングで、気勢をそぐような人事異動が発表された。

受け身形「気勢をそがれる」の使い方【日常会話はこちらがメイン】

実際の会話では、「気勢をそぐ」という能動態よりも、自分が主語になる「気勢をそがれる」という受け身の形で使われることの方が圧倒的に多いです。

「誰かのせいで、自分のやる気がなくなった」というニュアンスで使います。

日常生活での例文

  • 「新しい趣味を始めようと張り切っていたのに、友人に『すぐ飽きるんじゃない?』と言われて、すっかり気勢をそがれてしまった。」
  • 「テストで良い点を取って褒められると思ったら、『満点じゃないのか』と親に言われ、気勢をそがれた。」
  • 「楽しみにしていたドラマの最終回を、ネタバレ記事で知ってしまい、見る気勢をそがれた。」

ビジネスシーンでの例文

  • 「画期的なアイデアだと思って自信満々に提案したのに、上司の『前例がない』の一言で、完全に気勢をそがれた。」
  • 「連休明け、気持ちを切り替えて仕事に臨もうとした矢先にシステムトラブルが発生し、朝から気勢をそがれてしまった。」

「気勢をそぐ」の類語・言い換え表現

似たような状況で使われる言葉との、微妙なニュアンスの違いを知っておくと便利です。

類語とのニュアンスの違い【比較表】

言葉ニュアンスの違い
気勢をそぐ盛り上がった勢い・意気込みを対象とする。
やる気をそぐ個人の内面的なモチベーションが対象。「気勢」ほど盛り上がっていなくても使える。
出鼻をくじく物事のまさに始まり(出だし)のタイミングでの妨害に限定される。
水を差す盛り上がっている場の雰囲気や、良好な人間関係を壊す行為。

反対語は「気勢を上げる」

「気勢をそぐ」の正反対の言葉は「気勢を上げる(きせいをあげる)」です。
これは、チーム全体で「エイエイオー!」と声を出すような、意気込みをさらに高め、盛り上げることを意味します。

  • 例文: 試合の前に、キャプテンがチームの気勢を上げるための円陣を組んだ。

よくある質問

Q. 「そぐ」の漢字は「削ぐ」?「殺ぐ」?

A. どちらも正解ですが、意味合いに違いはありません。
「殺」という漢字が持つイメージが強すぎるため、新聞や公的な文章では、常用漢字である「削ぐ」が使われるのが一般的です。迷ったら「削ぐ」を使うのが無難です。

Q. 「気勢をそぐ」は、目上の人に使ってもいい言葉ですか?

A. 相手の行動を評価する言葉なので、注意が必要です。
例えば、上司に対して「部長の発言は我々の気勢をそぎます」と直接言うのは失礼にあたります。
使うとすれば、「先方の〇〇という発言で、こちらの交渉チームが少し気勢をそがれてしまったようです」のように、第三者の状況を客観的に報告する形で使うのが良いでしょう。

まとめ

「気勢をそぐ」という言葉は、誰かのポジティブなエネルギーがダウンしてしまった状況を表すのに非常に便利な表現です。

  • 意味: 盛り上がったやる気や勢いを削ぎ落とすこと。
  • 使い方: 日常会話では「気勢をそがれた」という受け身の形で使うのがメイン。
  • 類語との違い: 対象が「勢い」なのか、「出だし」なのか、「場の雰囲気」なのかで使い分ける。

この言葉の意味を正しく理解し、自分の感情を的確に表現したり、あるいは無意識に誰かの「気勢をそいで」いないか振り返ったりするきっかけにしてみてください。

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