「気持ちを削ぐ」とは?意味や使い方を例文で解説【やる気を削ぐと言い換えも】

日記
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「楽しみにしていたイベントの直前に、友人のネガティブな一言で気持ちを削がれてしまった…」

このように、日常会話で何気なく使ったり聞いたりする「気持ちを削ぐ(そぐ)」という言葉。なんとなくニュアンスは分かるけれど、正しい意味や使い方に自信はありますか?

この記事では、「気持ちを削ぐ」という言葉の基本的な意味から、「気勢を削ぐ」といった似た言葉との違い、そしてより一般的に使われる受け身形「気持ちを削がれる」の使い方まで、具体的な例文を交えて分かりやすく解説します。

「気持ちを削ぐ」の正しい意味と読み方

まず、言葉の基本的な意味を理解しておきましょう。

「削ぐ(そぐ)」が持つ本来の意味

「削ぐ」という動詞には、「刃物などで斜めに薄く切り取る」「不要な部分を取り除いて減らす」といった意味があります。
物理的に何かを削り取るイメージから転じて、「勢いや興味、意欲などを弱める・なくならせる」という意味で使われるようになりました。

どんな「気持ち」を「削ぐ」のか?(やる気・興味・楽しさ)

「気持ちを削ぐ」という表現で使われる「気持ち」は、主に以下のような前向きな感情を指します。

  • やる気、意欲: 「よし、頑張ろう!」という気持ち。
  • 興味、関心: 「面白そう!」「もっと知りたい」という気持ち。
  • 楽しさ、期待: 「ワクワクする」「楽しみだ」という気持ち。

つまり、「気持ちを削ぐ」とは、誰かの言動や何らかの出来事が原因で、他者のポジティブな感情や意欲を減退させてしまうことを意味するのです。

【例文あり】「気持ちを削ぐ」の具体的な使い方

「気持ちを削ぐ」は、主に二つの場面で使われます。

人のやる気をなくさせる言動に対して使う

誰かの意欲やモチベーションを下げるような言動に対して使います。主語は「発言」や「態度」になることが多いです。

  • 彼がこれから新しい挑戦をしようとしている時に、「どうせ失敗するよ」なんて言って気持ちを削ぐのはやめるべきだ。
  • 会議で前向きな意見が出ているのに、部長の否定的な一言が参加者全員の気持ちを削いでしまった

場の雰囲気をしらけさせる言動に対して使う

盛り上がっている場の空気を壊したり、楽しんでいる人の気分を台無しにしたりする場面でも使われます。この場合は「興(きょう)を削ぐ」とも言い換えられます。

  • みんなで旅行の計画を立てて楽しんでいる時に、費用やリスクの話ばかりして気持ちを削ぐのは無粋だ。
  • 彼の自慢話は、せっかくの楽しい飲み会の気持ちを削ぐものだった。

受け身形「気持ちを削がれる」の使い方と例文

日常会話では、「削ぐ」という能動態よりも、「削がれる」という受け身の形で使われることの方が圧倒的に多いです。

「削ぐ」と「削がれる」の違い

  • 気持ちを削ぐ: 誰かが(意図的に、あるいは無意識に)他者のやる気をなくさせる【行為】を指す。
  • 気持ちを削がれる: 誰かの言動や出来事によって、自分のやる気がなくなってしまう【状態】を指す。

日常会話でよく使う「削がれた」の例文

自分の感情として使うため、非常に使いやすい表現です。

  • 上司から理不尽なダメ出しをされ、すっかり気持ちを削がれてしまった
  • 楽しみにしていた映画のネタバレを見てしまい、鑑賞意欲を削がれた
  • 頑張って作った資料を「センスないね」と一蹴され、完全に気持ちが削がれた

「気持ちを削ぐ」の言い換え・類語表現

「気持ちを削ぐ」には多くの類語がありますが、対象やニュアンスが少しずつ異なります。違いを理解して使い分けることで、表現の幅が広がります。

類語とのニュアンスの違い【比較表】

言葉対象ニュアンス
気持ちを削ぐやる気・興味・楽しさポジティブな感情全般を弱める。
気勢を削ぐ勢い・意気込み「いくぞ!」という盛り上がった勢いをくじく。
意欲を削ぐ意欲・モチベーション何かを成し遂げようとする意志を弱める。
勢いを削ぐ流れ・調子物事の好調な流れや進捗を妨げる。
水を差す場の雰囲気・人間関係良好な雰囲気や関係に、邪魔を入れる。

場面別の言い換え表現

個人のやる気に対して:「やる気をなくさせる」「意欲をくじく」

  • 先輩の厳しい一言が、彼のやる気をなくさせた
  • 度重なる失敗に、彼女は意欲をくじかれてしまった

チーム全体の雰囲気に対して:「士気を下げる」「水を差す」

  • リーダーの無責任な発言は、チーム全体の士気を下げた
  • 二人が仲良く話しているところに、彼が水を差した

よくある質問

Q. 「削ぐ」は「殺ぐ」と書くこともありますか?

A. はい、あります。「殺ぐ」も「そぐ」と読み、意味も同じです。ただし、「殺」という字が持つ強いイメージから、現代の公用文や新聞などでは常用漢字である「削ぐ」が使われるのが一般的です。「やる気を殺がれる」と書くと、より強い精神的ダメージを受けたニュアンスが出ることもあります。

Q. 「気持ちを削ぐ」はビジネスメールで使っても失礼になりませんか?

A. 使い方によります。相手の言動を非難する文脈で「あなたの発言に気持ちを削がれました」と使うのは、直接的すぎて失礼にあたります。
一方、「〇〇といったご懸念は、担当者の気持ちを削ぎかねませんので、まずは前向きな評価からお伝えいただけますと幸いです」のように、クッション言葉を使いながら懸念を伝える形で使うことは可能です。基本的には、口語的で感情的な表現なので、ビジネス文書での使用は慎重に行うべきでしょう。

まとめ

「気持ちを削ぐ」という言葉は、誰かの前向きな感情(やる気・興味・楽しさ)を、言動や出来事によって弱めてしまうことを指します。

  • 自分が使う場合: 「気持ちを削がれた」という受け身の形で、「やる気がなくなった」という状態を表すことが多い。
  • 類語との違い: 「気勢(勢い)」「意欲(意志)」「雰囲気」など、何を対象にするかで使い分ける。
  • 使い方: ポジティブな気持ちが前提にあるため、ネガティブな感情に対しては使わない。

この言葉の意味を正しく理解し、類語との違いを意識することで、自分の感情や状況をより的確に表現できるようになります。

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